幼少期から思春期は、女の子にとって非常にデリケートな時期。「ブス」「太っている」「キモい」といった言葉を浴びると、まるで自分が本当に存在価値がないかのように思い込んでしまう場合も。イジメる側は面白がって、さらにエスカレートしてきます。それに対抗するには、自分自身がぶれないような、正しい信念を持つことが大事。悲惨なイジメを乗り越え、ポジティブに生きる女性をご紹介します。
暗かった学生時代
イギリスに住むロレッタ・ダチャンプさん(Loretta Duchamps)は、物ごころついた時からイジメられていました。6歳の時、スクールバスで男の子が彼女をからかい、悪口を浴びせてきました。バスの運転手に助けを求めても相手にされず、イジメは継続するばかり。この頃から、ロレッタさんの自尊心はいちじるしく低下していきました。
13歳の時、同じクラスの女生徒が突然大声で言いました。「ロレッタは、本当にブスだよね」。一瞬、クラス全体は凍り付いたようにシーンとなりました。生徒たちの視線が集中し、真っ赤になってしまったロレッタさん。この時、彼女の自尊心はまたもや急降下。自分はとても醜いのだと思い込むようになりました。
その後、クラスでは最前列に座り、両サイドの髪で顔を隠し、ひたすら人目を避けるようになったロレッタさん。クラスの女生徒たちから髪を引っ張られたり、押されて床に倒されたりしたこともありました。「あんた、自分を誰だと思ってんの?偉そうに…」彼女たちの暴言が続きましたが、ロレッタさんは先生や両親に打ち明けることができませんでした。
人生の答えを求めて
イジメられ、苦しみと恐怖のあまり、夜は毎日ベッドで泣いていました。その頃から、「人生の目的は何か」「このような苦難に意味があるのか」といった疑問が湧いてきました。人が立ち止まって、人生の深淵に興味をもつのは、往々にして苦しみに遭った時。両親から勧められ、ヨガや瞑想(めいそう)、東洋哲学の本を読み漁りましたが、最終的にたどり着いたのは、19歳の時に出会った法輪大法という気功修煉法でした。
この修煉法は、中国伝統の気功法で、身体を鍛錬すると同時に、心の修養を重視するというもの。毎日の自分の心や態度を「真・善・忍」に照らし合わせ、それに従うように心がけます。ネガティブな状態にある時は、自分を見つめて調整し、悪い心を自ら取り除きます。気功により心身が浄化され、すでにゼロ以下だった自己肯定感が徐々に戻ってきました。
「大法の本(転法輪)が、人生の意義をすべて教えてくれました。誠実、思いやり、忍耐、自制心といった心が私たちの持つべき徳であり、人間が生まれつき持っている本性です」
「これまで、感じたことのない幸福感を覚え、心が強くなるのと同時に、人を赦すこと、ポジティブになることを学びました」と話すロレッタさん。
修煉を続けているうちに、ロレッタさんは自分をイジメた人たちに対する恨みや憎しみを捨てていきました。
希望に通じる道
結婚して二人の子供を授かり、今は主婦としてイギリスで暮らしているロレッタさん。彼女の明るく自信に満ちた笑顔を見ると、悲惨な過去があったとは到底思えません。
ロレッタさんは、イジメを苦に自殺を考える子供たちを助けたいと話しています。
「どんなに辛くても、それは単なる曇りによる影みたいなもの。暗闇は、ほんの一時です。人生には必ず転機が訪れるし、暴風雨の後は必ず晴れ上がります。人生はこの上なく貴重です。どうか自暴自棄にならないで」と話しています。
出典:大紀元